こんにちは、みすくです
伊坂幸太郎氏の作品を読んだのは、『魔王』で6冊目です。
この作家は肌に合うな、と思って読んできたんだけど、
引き込まれるような読み方をしたのは、この『魔王』が初めて。
不穏な空気が漂い、不気味なものが忍び寄る、
みたいな小説がもともと好きだからかな。
『ゴールデンスランバー』でもそうなんだけど、
政治やマスコミを風刺しているものの、
それそのものはテーマとしていないところが良いです。
おもしろい小説の世界って、
主張ではなく空想から生まれるんじゃないかなって、
わたしは思っているので。
もう一つおもしろい点は、
各作品の登場人物が他の作品を行き来していているのが、
伊坂作品の特徴なんだけど、
彼まで出てくるの!? というヒトが『魔王』には登場します。
彼が出てくる以上、何が起こるかは予測できてしまうんだけど、
それでもがっかりさせない力量に驚かされました。
締めくくり方も秀逸。
おすすめです。